SEXのあいうえお

辻真邦

1―4 サンドパン


皆さん幼い頃に好きだった遊びはなんでしょうか。私はレゴです。集中して色々なものをつくっていた記憶があります。お庭付きの一軒家だったり、ただひたすらに斜めに高く積んでいったり……。ハリーポッターのお城をつくったこともありますよ。きっと部屋っ子だったのでしょうね。もっと外で遊んでみてもよかったかもしれません、例えば砂場とか。


さて砂場で一緒に遊びましょう。

まずはなんといっても大きなお山をつくりたいですね。大きな山をつくるためには寄せて集めて、寄せて集めて……。おっと右利きだからでしょうか、左に傾いてしまっていますね。もっとバランスよく、追うだけではお山に逃げられてしまうから。


さて、今回のテーマは〝逃げられない〟ということです。


——逃げさせないだけなら簡単ではないですか、ただ押さえていればよいということか。 いえいえ。


——片方から追っていって反対に逃げたところで体を入れかえて捕まえるということですね。

まだまだ、追い込み漁。


捕まえる意思がばれぬよう、〝あら、いつの間に〟、となるように。鳥を飛ばせない訓練と同じです。相手の呼吸を見るのです。

プロボクサーを取材した人曰く〝リングの中で対戦相手が息を吸っているか、止めているとき、いくら強いパンチを打ってもダメージは少ない。しかその逆に相手が息を吐ききった瞬間にパンチをいれると決定的に効く〟のだそうだ。


難しすぎます。さすがにこれはできません。


しかしSEXにおいてはみなさんもできますよ。

まず性行為をするところ、すなわちベッドや布団(草原)には枕(木の根)があるということ。

次に、スタンディングではないということです。

つまり包むように下段に落としていけばよいのです。


そこで大事となる部分は膝。手先や足先で追って行っても捕まえようとしている雰囲気が出てしまいます。

膝を用いて右、左、と挟んでいき相手の膝の内、外、と攻めいりましょう。

〇××〇も、〇×〇×も、×〇 〇×も、〇× 〇×も。様々なパターンが直線上だけでも現れますね。

ただし、その通りに並べよという問題ではなく、木の棒に対して自分の膝を置けばよいものでもありません。相手に逃げようという気持ちを与えつつなのです。もう耐えられない、ありませんとなったときには、時すでに遅し。


難しいと思いますができます。みなさんは、膝をもっているのです。膝の所有者なのですから。