SEXのあいうえお

辻真邦

 1—3 おじゃる丸

ここでひとつ豆知識です。実は、おじゃる丸は、<ちっちゃいものクラブ>の会長にもかかわらず、集会への遅刻や、そもそもそんなにちっちゃくないなどの理由から何度も不信任案を出されているそうです。憎めないやつですね。では、 <ちっちゃいものクラブ>の日本人初期メンといえば……。釈由美子でおなじみのあのおじさんではないですよ。そうですね、一寸法師です。一寸法師の有名なシーンにこそ、ちょっとどころではない重要なヒントが隠されていたのです。


私たちいきものにとって欠かすことができないもの、それは水。まずみなさんには一寸法師になった気持ちで水に流されていただきたいのです。山から川を流れそしてやがて海へとたどりつく。このような水の流れを意識していただきたいのです。もちろん流れが急でも緩やかでも、直線でも曲がりくねっていてもかまいません。しかしながら確かな流れがそこにあっていてほしいのです。ただここでみなさんは思うでしょう。海にたどりついたらそこでおしまいですかと。結局水は流れているだけでは下から上へは行けないじゃないですかと。ごもっともです。

ここまででも十分及第点ではあるものの、ここで終わっては一寸法師どまりですよ。もっと先にいきたければ、もっともっとちっちゃく。

海でゆらゆらしていてももちろんいいでしょう。そうしていたらお日様に照らされ雲となり、山へ雨を降らしてもいいでしょう。そのあとまた川を経て海や池へと流れてもいいですし、山で杉の木を立たせるのもおつでしょう。このように水の一生に自分を重ねてみてください。ちなみに私は日本人なのですが、日本人は昔から稲作をしてきた、つまり昔から水田を気にかけてきたために水に関してはアドバンテージがあります。しかし日本人以外のみなさんも必ずできます。すべての人類は水と向き合ってきたのですから。

ただここで、いつ何時もおだやかにこの身をまかせてというわけにもいかないのではないかと、砂漠をさすらっているとき目の前にオアシスが見つかったならばしゃにむにがぶ飲みするのが性ではないかと、そういう声もあると思います。そのことに対する心得はまた後ほどお伝えいたします。とにかくある時は牧場のみどりのように、またある時は連なる滝のように流れろ、いや、走れということです。