SEXのあいうえお

辻真邦

 1—2 テトリス

突然ですがみなさん、テトリスは得意ですか。私は苦手です。落ちてくるのが速くなるとどうしても焦ってしまいます。今回は得意な方も苦手な方でもできる体の、テトリスのお話です。どういうことかと申しますと体の凹凸のお話です。おやおやSEXの話で凹凸とは随分安直だなという声を出してしまったあなた。まだまだかわいいですねえ。凹凸といっても姿勢の凹凸のことですよ。


ここで一度想像してほしいのです。性行為をしているとき、寝転がっていたり、腰かけていたり、はたまた立っていたりしますよね。そのとき背筋はどうですか。背筋ピーン(姿勢シャーン)ですか、「いやいや猫背なのでどうしても曲がってしまうね」ですか。意識したことがない方も多いのではないのでしょうか。

では、質問をかえます。お互いに寝転がっていてどちらかが下のほうへ顔を移すとき体ごと場所を変えますか、お互いに立っていてどちらかが下のほうへ顔を移すときしゃがみますか。それだけでは物悲しいでしょう。ぜひとも上半身を上下させるときはまず背の骨を使ってしてほしいのです。何といっても背骨は反ることができるのですから。相手の状況になってみるとなぜそれが大事なのか分かりやすいと思います。単にしゃがんでいるとき相手はあなたの頭頂部しか見られませんが、背骨を反れば背中が、さらに首も反れば顔も見ることができ触れやすくもなるのです。このような攻め反りだけでなく、受け反りもまた素晴らしいことは考えてみれば容易でしょう。

さらに姿勢の凹凸を柔軟に使うことで、どのような地形でもなめらかに体を合わすことができ、奥を高く手前を低くすることが可能になってくるのです。背筋を例にとりましたが、他にも体には凹凸自在な部位があります。尺を取ってしまいましたが、とにもかくにも私が伝えたいことは反りが大事ということです。