フィールドワークとして生きる

村上陸人

経験がすべて



世界では色々なことが起きている。

電車の遅延、サービス残業、祖母の誕生日、政権交代、初の民間ロケット打ち上げ……

今どこで何が起きているのか、これから何が起きるのか、想像をふくらませることができる。

想像できることはとても大切だと思う。想像は世界に影響を与える。それどころか、想像が世界をつくっている。例えば、想像を、言葉にしたり、音楽にしたり、絵にしたりすると、それは具体的な現実として、他人を巻き込み、新たな出来事を巻き起こしていく。想像は創造なのだ。


嘘をつくことも、想像力の賜物だと、イスラエルの学者が書いていた。


想像の源泉、それが、経験なんじゃないかと考えている。

もちろん、経験していないことを想像することもできる。バングラデシュにキチュリという料理があるのだが、私は現地に行くまでこれを食べたことがなかった。現地人にすすめられ、いざ「キチュリ」とやらを食べに連れてもらった。道中、キチュリはどんな味がするのか想像した。まぁ多分辛いでしょ。辛くなくても何らかスパイシーに違いない。それから、昼ごはんとのことなので、多分、米が入っているだろう。などなど。食べてみると、カレー味の炊き込みご飯だった。おかずと米が分かれている食べ物を想像していたので、炊き込み式は意外だったが、味はだいたい想像通り。

経験していないことを想像するとき、私たちは経験をフル活用する。


というわけで、締切となりましたので、続きは次回。