題未定

市村剛大

2021年7月3日

ボールペン



世の中の人はボールペンを馬鹿にしている。

巷の文房具屋にいくと、色々なボールペンが売っている。ゲルインク、書き味がなめらか、かすれない…色々ある。そういうボールペンを愚かな消費者(主に中高生)はあれが書きやすい、これが書きやすい、とそれらしい試し書きをして真剣な目つきで選んでいる。自分はそういう考え方をする人にはなりたくない。

何故書きにくいボールペンがあるのか、それはボールペンが書きごこちのいいボールペンを目指して書きごこちを変えるからだ。たとえばパソコンのキーボードを考えてみてほしい。いろいろな会社がより配列を覚えやすい、今とはちがうキーボードを出したら、メーカーごとに配列がちがって、逆に覚えられなくなる。人は「キーボードの配列」という目に見えることにかんしてはこのことにあたりまえに気づくのに、「ボールペンの書き心地」という目に見えないことになるとこのこと忘れてしまう。最初にヒットしたボールペンこそが真のボールペンであり、その書き心地に人間の方が合わせればよい。

自分はこの手のことに腹が立つことがとても多い。建築物は、このことがよくあてはまる例だと思う。「使いやすい建物」だとかなんとかいい、建築家が建物の美しさを忘れて、いらない気を利かせたせいで、日本の町にはみにくい建築があふれてしまった。あつい部屋ならつめたいのみものをのめばいいし、階段の昇り降りがきついならスクワットをして足をきたえればいい。

美しいものに自分を合わせるということをしないなら、人間という動物である意味がないと思う。少なくとも自分はこういう気持ちを持ちつづけたい。

付ろく

◦おすすめのボールペン

・CROSS CENURY CLASSIC

これぞボールペンといった書き心地。CROSSはアメリカのしにせで、愛用していた大統領も多い。正直かきづらいがなれてバシッとかけると格好いい。中古品で出回わっているmade in USAのものが、質感が良くおすすめ。