この秋、長野県の北東に位置する東御市、禰津村を旅した。長野新幹線で上田まで、そこから千曲川に沿って、在来線で二十分ほど南東に向かうと、田中という駅につく。さらに駅から自転車で三十分程、湯ノ丸の山の方へ、どんどん登ってゆくと、禰津村が見えてくる。
この旅を通じて感じたことは多い。おそらく一番は、観光地とは言えない地を、手探りで旅した、はじめての体験だったという点にはじまる。旅先では、自らが旅の素人であると、つくづく感じた。禰津村と、そこに生きた歩き巫女「ノノウ」の歴史については、『信濃の歩き巫女祢津の里ノノウの実像』を読み、事前に学んでいた。村の雰囲気を肌身で感じるとともに、実際に書物に挙がっていた遺跡を、この目で見てみたかったのだ。
旅慣れた者にとっては当たり前なことだが、この旅を経て強く実感したことがある。それは、寺社仏閣にせよ、自然風物にせよ、地図から想像していたよりずっと、行きづらい場所にあったということ。禰津村に行くのでさえ、電車だけに頼れない。駅から歩いていくのは相当な覚悟がいる。宿もない。自転車のお陰で、一日で多くを見ることができたが、山の麓にある禰津村の最高地から先、もう人家が見えない地点までくる。山道の入り口で、