3 + 24 = 27
27 - 8 = 19
19 - 3 = 16
16 + 24 = 40
40 - 8 = 32」

正解である。一度めの質問との違いは、「途中経過は表示せず、答えのみを回答して」を付け加えていないということのみである。この文言を付け加えないことで、LLMは計算の過程を言葉として出力する[註3]。その自分が出力した思考過程を解釈しながら、論理を繋いでいくことでより複雑な論理を回答できるようになるのである。このような、思考段階を言葉に出しながら生成を行うと、複雑な問題にも答えることができるようになるLLMの性質は、「思考の連鎖」(Chain-of-Thought)と呼ばれている。

LLMの挙動は人間の思考を鏡写しである。人間も、本来難しい論理など大して考えられないのだろう。思えば自分も学生時代、掛け算九九や数学の公式を反射的に答えられるよう覚えた。小さな論理のユニットとその使い方を反射的に答えられるよう経験的に覚え、頭の中に(あるいは計算用紙などに)それらを書き出してで組み合わせていくことで、より難しい論理問題を解いていくのである。言われてみれば当たり前のことだが、自分は今までこれほどまでに「論理的に考える」ということがどういうことかを意識したことはなかった。生成AI、LLMという人間に似た振る舞いをする存在の登場により、改めて人間自身の振る舞いについて深く考えさせられたり、気づきを得る。これも生成AIの面白さの一つであろう。