星の夜
坂口茉莉絵
静かに星が降る夜
あなたがやってくる
透明な時間を脱ぎ捨てて
消えてしまった刻を超えて
決して透明ではなかった
思い出せば
濁りは消えて
冴え澄む空に
消えたあなたが
ただ曇りなく居る
夜の窓辺に
そんなあなたがいるから
眠らず星を見る 冬の夜空
記憶とも呼べぬ
身体に刻みついた痕を
指で摩りながら
ただ 茫然と
束の間 独りを
脱ぎ捨てるために
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